ハミングバード
今週のお題「最近見た映画」
ピザ食ったらhuluのタダ券もらったから映画見まくってる
その感想
この作品の主人公は
元 特殊部隊の兵士だ
今では、独断で民間人を殺害した罪で軍から逃亡していて
ロンドンでホームレスをして身を潜めているところから始まる
ある日、ギャングのホームレス狩りにあってしまい
逃げ惑う内に、高級アパートに入り込む
偶然にも、そこの家主は長期の不在であったため
主人公はそこで身分を偽装して、第二の人生を歩もうと進もうとしていく
元犯罪者でホームレスという、どん底の人生。
地獄の底から一本伸び降りてきた蜘蛛の糸を手繰るように
たった一回の幸運を得た主人公は
そこから這い上がることが出来たのだろうか
というような話。
人間というのは
意外にも「ピンチのときに降りてきたチャンスを掴むことができない」
それは、ピンチのときはその対処で脳の処理が一杯なので
俯瞰的にみたときにはチャンスであることも
上手く掴むことができない
この主人公が
高級アパートに逃げ込んだのは意識していたことではない
夢中で走って逃げている内に、迷い込んで
ギャングに捕まったら確実に殺されるという恐怖心から
必至に生きようとした結果で引き寄せられたからだろう
さらに、そこの家主が半年間は帰ってこないということに気がついたとき
少なくとも私であれば
傷が癒えれば、黙って部屋を出て
何事もなかったかのように
過去と同じようなホームレスに戻ってギャングに怯えて過ごしていくだろう
しかしながら、この主人公は
ピンチをチャンスだと自覚し
なによりも貪欲だった
生きるために
その姿は美しくもあり、ときに迷い
同じホームレスで唯一の心を開いていた少女が
ギャングに捕まり川に流れ着いているのを聴いたときには
激高し自分のすべてを投げ出した
結果的には誰も救われていないようなエンディングだったのだが
彼にとっては良かったのだと感じる
ホームレス達に慕われている修道女との対比
彼女は
「自分の欲求を抑制して、平穏でいたい、居なければならない。」
という考えで行動していた
しかし、
ホームレスから成り上がってギャングの一味となった主人公から
チャンス（大金）を得たときに欲望に呑まれた罪悪感に苛まれる
最終的な決断として、彼女は欲に飲まれないという
自分を律して、過去の罪を一生償っていくという選択をした
主人公は
特殊部隊時代の仲間5人を目の前で殺されたとはいえ
独断で民間人を殺したという罪を背負った為に
ホームレスとしての逃亡生活という、贖罪として受け入れていたのではないのだろうか
そこには成り上がって罪をもみ消そうという意識は無かったと想像している
しかし、
彼はチャンスを得てしまった為に欲を知ってしまった
裏社会にいれば罪は金で揉み消すことが出来る
正義のヒーローにもなれることを知ってしまったのだ
ラストのシーンは
罪を償わなければ本当の意味で人生を変えることはできない
というのを示唆しているのではないだろうか
